2010年9月24日金曜日

生命保険の見直し(2)

生命保険は、毎月の保険料を合計すると、生涯で大変大きな金額を払い込むことになりますので、場合によっては1千万円以上の保険料を払い込むことにもなり、新車を買うよりも高い買い物になります。

新車を買うときは、皆さん、あちこちのパンフレットを集め、値段交渉して、ずいぶん検討してから買うことが多いのですが、生命保険は、何となく、生命保険販売員(保険のおばちゃん)に勧められるまま、契約してしまうのではないでしょうか。

そして、保険に入った後は、そのまま放っておいてしまいがちです。

加入した時から、家族構成や、必要な生活費等の経済状態も変わりますので、思い切って生命保険を見直しましょう。


生命保険の保険料を安くする方法には大きく2つあります。

一つ目は、保険会社を変えること。

同じ保障内容でも、保険会社によって保険料が異なります。

できるだけ情報を集めて比較検討してみましょう。

同じ保障内容にたいして保険料が今よりも安くなる保険がきっとあるはずです。

二つ目は、保障内容を見直すことです。

今現在、本当にそれだけの保障が必要でしょうか。

たとえば、お子様が小さい時は、ご主人に万が一のことがあれば、多くの保険金を必要とします。

でも、お子様も大きくなり、教育費用も一段落したら、もう、それほど大きな補償は必要ないはずです。

また、マイホームを購入し、団体生命保険に加入して入れば、生命保険の死亡保障は小さくしてもよいのではないでしょうか。


ファイナンシャルプランナーは、あなたの将来の夢と予想される出来事、そして現在の状況をお尋ねし、シミュレーションをしながらあなたの最適なライフプラン設計のお手伝いをします。

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保険料が戻る医療保険

医療保険(終身型)は、何十年と保険料と払い続けても病気やけがで入院しなければ給付金は受け取れないので、健康な人ほどなんだか損をした気分になってしまいます。

最近登場したのが、支払った保険料相当分が戻ってくる終身医療保険です。

例えば、A社の医療保険Rの場合、保険料の払い込みは60歳まで。

病気やけがで入院したら、一日当たりで入院給付金が支払われ、所定の手術をすると手術給付金が支払われます。ここまでは、普通の医療保険と同じです。

ちがうのは、入院給付金の支払いがなかった場合、加入から5年ごとに入院日額の10倍の「健康ボーナス」が受け取れるということです。

さらに一定年齢になったら、払った保険料の給付金を差し引いた額が「リターンボーナス」として戻ってくるのです。

つまり、払った保険料がすべて戻ってくるのです。

ただし、ちょっと考えてみてください。

例えば、30歳の男性が入院給付金日額8000円のコースに加入し、保険料(毎月約1万円)を30年間払ったとしたら、合計で370万円の支払いになります。

370万円というお金が、30年後に、戻ってくるのですが、その時の370万円の価値はどのくらいになっているかということです。

つまり、30年間、お金を寝かしておいたら、その間にインフレになって、価値が下がっている可能性もあるのです。

一方、毎月1万円を積み立てて、年利5%で投資運用した場合、30年後には797万円になります。

保険料が戻ってくる医療保険は、通常の医療保険に比べて、保険料はかなり高くなります(3倍程度)。

ですから、ご自身の保険に対する考え方を明確にしたうえで検討することをお薦めします。

所得補償保険

所得補償保険とは、簡単に言えば、日本国内、国外を問わず、病気やけがで働けなくなった時の収入ダウンをカバーする保険です。

「医療保険に入っているから大丈夫」と言われる方も多いと思いますが、医療保険は、あくまでも入院中の医療費の補てんが目的です。

入院1日あたり5000円とか1万円で契約することが多いと思われます。

しかし、この金額では、働けなくなったことによって失う収入のカバーは難しいのが普通です。

所得補償保険の保険期間は1年で、その期間内に起きた就業不能について一定期間てん補されるように設定します。

たとえば、1月1日から12月31日までの保険期間で、3月1日から長期入院してしまい、翌年の6月30日まで働けなかった場合、てん補期間が2年の設定であれば、働けなかった1年3か月が保険金支払い対象期間になります。

ただし、免責期間の設定があれば、その間は支払い対象となりません。(免責期間を長く設定すれば、保険料は安くなります。)

氣になる保険金は、職業や職種、年齢、てん補期間によって異なります。性別による違いはありません。

たとえば、30歳、一般事務職、基本保険金額10万円(月額)、保険期間1年、てん補期間2年、免責期間7日の場合、月払い保険料は2000円程度です。同じ条件で40歳なら3000円、50歳なら4500円程度になります。

なお、保険金の支払い対象は、「まったく仕事ができない状態」となっていて、入院しているかどうかは問われません。自宅療養でも補償対象となります。

また、保険事故が生じないで保健期間が終われば、満期時に無事故戻しとして、一般的に保険料の20%が払い戻されます。

けがの保障(医療保険と傷害保険)

傷害保険と、医療保険のけがの補償とは、どのようが違いがあるのでしょうか。

まず、補償内容について見てみましょう。

入院保険金:医療保険では1回の入院が60日まで、または120日までが主流ですが、普通傷害保険では180日までのロング補償となっています。

通院保険:医療保険では通院補償はオプション(特約)になっているのが多い一方、「普通障害保険」では、予め組み込まれた仕組みになっている。

ちなみに、医療保険で通院特約をつけた場合では、一般的に入院をした後の通院のみをカバーします。

一方、普通傷害保険では、事故後で入院前の通院についても補償されます。

入院を伴わない事故によるけがでも、長期の治療となるケースもあり、通院治療時の普通傷害保険の使い勝手の良さには定評があります。

ただし、傷害保険の通院保険金においては、平常の業務や生活に支障が無い程度に傷害が治ったとき以降の通院に対しては保険金が受け取らない点が、医療保険の通院給付とは異なります。


【保険料について】

 「普通傷害保険」では「医療保険」のように年齢や性別で保険料が異なるような仕組みではなく、職種によって1級、2級、3級の3つに分かれます。 

けがや事故の可能性が高い職場(一定の高所建設作業職など)は3級職で最も保険料が高くなっています。

けがや事故の可能性が低い職種(事務職など)は1級です。保険料は3級よりも安くなっています。

さて、同じ入院日額の場合、けがと病気をカバーする「医療保険」と比較すると、けがのみの補償の「普通傷害保険の方が、当然に保険料は安くなります。

傷害保険(2)

損害保険の保険金の概要は以下の通りです。

死亡保険金:けがのため、事故の日から180日以内に死亡した場合。死亡・後遺障害損害保険金額の全額が支給される。

後遺障害損害保険金:けがのため、事故の日から180日以内に、所定の後遺傷害になったとき。後遺傷害の程度により死亡・後遺障害の損害保険金額の全額が支払われる。

入院保険金:けがにより、医師の指示に基づき入院した場合。1日につき、入院保険金日額が支払われる。

手術保険金:入院保険金が支払われる場合で、けがの治療のために、所定の手術を受けた場合。手術の種類に応じて、入院保険金日額の10倍、20倍、40倍が支払われる。

通院保険金:けがにより、正常な生活または業務に従事することに支障が生じ、事故の日から180日以内に通院した場合。(通院保険金日額の160日以内の通院で、最高90日分まで)。

火事を起こしてしまったときの賠償責任

火災保険は、もちろん火事になったときのために備えるものですが、では、実際に自分が火事を起こしてしまって、隣の家も燃やしてしまった場合、賠償責任はどうなるのでしょうか。

一般に、過失により他人に損害を与えてしまった場合は、民法709条にあるように、「不法行為責任」として、被害者に対して賠償責任が発生します。

ところが、火事の場合は、「失火法」と言うものがあります。

その中には、こう書かれています。

「民法709条の規定は、失火の場合には適用せず。ただし、失火者に重大な過失があるときにはこの限りにあらず。」

つまり、誤って火事を起こしてしまい、隣の家を燃やしてしまったとしても、重大な過失がなければ、通常は賠償責任は発生しません。

このことは、逆に言えば、自分の隣の家が火事を起こし、それが自分の家まで燃やしてしまった場合、となりの人からは賠償金をもらえないということなのです。

また、自分が火を出してしまった場合で、注意しなければならないことが2つほどあります。

①爆発事故や爆発による火災を原因として生じる賠償責任については失火法が適用されません。

②失火により賃借物を消失させた場合、「債務不履行責任」を問われます。

つまり、例えば、賃貸住宅に住んでいる人が火事を起こした場合、大家に賠償金を支払うことが求められます。

だから、火災保険が必要なのです。

損害保険の用語

損害保険に関わる用語について解説します。

再調達額(新価):失われたものと同等のものを新たに建築・購入するのに必要な金額。

重複保険:同じ家に、保険会社が異なる複数の火災保険をかけること。

解除:契約当事者(加入者と保険会社)の一方の意志によって契約の効力を契約時にさかのぼって消滅させること。

解約:保険契約者の請求により、契約の効力を将来に向かって消滅させること。

自動復元:保険金を支払った場合でも、保険金額が減額されない方式のこと(例:住宅火災保険、車両保険等)。
これに対して、倉庫物件用火災保険は、支払った保険金分だけ保険金額が減額される。

再保険:保険会社が他の保険会社に引き受けてもらう保険のこと(例えば大地震等の災害の備え)。

実損てん補:損害額が保険金額よりも小さかったとき、損害額全額を支払うこと。

比例てん補:保険の目的物の価額(時価)が保険金額よりも大きい場合、損害発生時に不足する割合に応じて保険金を減額して支払う方式。
例えば5000万円の家に3000万円しか火災保険を掛けていなかった場合、火事により2000万円の損害が生じても、2000万円(全額)支払われるわけではなく、2000万円×(3000/5000)=1200万円の保険金が支払われることになる。

損害率:保険料に対する支払った保険金の割合

  損害率=(正味保険金+損害調査費)/正味保険料