2010年9月24日金曜日

保険で相続対策

生命保険を利用することで相続税を軽減することが可能になる場合があります。

例えば、ご主人と奥様、お子様二人の家庭で、現金で5000万円の財産がある場合を考えて見ます。

ご主人がお亡くなりにった場合、非課税枠として1500万円(500万円×法定相続人の数)が差し引かれて、残り3500万円に相続税率をかけた金額が相続税として徴収されます。

一方、仮にご主人が生前に、ご主人が契約者となり、息子さんを被保険者、受取人をご主人にして、5000万円の保険料を支払い、1億円の生命保険を掛けたとします。

その場合、ご主人がお亡くなりになっても、息子さんが生きておられれば、保険金はおりません。

ご遺族は、ご主人が契約した生命保険の権利を相続することになります。


生命保険契約に関する権利の評価は、

(払込保険料の合計額)×0.7-保険金額×0.02

となります。

したがって、この場合、

5000万円×0.7-1億円×0.02=3300万円

となります。

ここからさらに非課税枠1500万円が差し引かれるので、結局、相続税は1800万円に相続税率がかかることになります。

現金で5000万円残すより、相続税の額は小さくなります。

保険と税金(6)

保険と税金といえば、個人年金保険の保険金にも税金がかかります。


①契約者、被保険者、年金受取人が同一である場合:

毎年受け取る年金は雑所得として所得税がかかります。

雑所得の計算方法は

雑所得 = その年に受け取る金額 - 必要経費

となり、必要経費は、

(基本年金+増額年金)×(総正味払込保険料合計額)/(年金の総支給見込み客)

で計算されます。


②Aさん(契約者)がBさん(被保険者)について年金保険をかけ、年金受取人がAさんである場合:

毎年受け取る年金は雑所得として所得税がかかります。

雑所得の計算方法は

雑所得 = その年に受け取る金額 - 必要経費

となります。


③Aさんが自分(Aさん)に年金保険をかけ、年金受取人が別の人(Bさん)である場合:

年金開始時は年金の権利評価額に対して贈与税がかかります。

その後の毎年の年金は、雑所得として所得税がかかります。


④Aさんが別の人(Bさん)に年金保険をかけ、年金受取人がBさんである場合:

毎年の年金は雑所得として所得税がかかります。

その後の毎年の年金は、雑所得として所得税がかかります。

保険と税金(5)

保険金を受け取っても税金がかからない場合もあります。

それは身体の傷害に起因して支払いを受けるような保険金の場合で、いわゆる「非課税」扱いとなります。

例えば、高度障害保険金、入院・通院給付金、手術給付金、特定疾病保険金、リビングニーズ特約等がこれにあたります。

保険と税金(4)

保険を解約したときに戻ってくるお金(解約返戻金)にも税金がかかります。

この場合、所得の種類は一時所得となり、

(解約返戻金-払込保険料総額-特別控除額50万円)×0.5

が課税一時所得金額となります。

保険と税金(3)

生命保険が満期になってもらえる保険金(満期保険金)にも税金がかかります。

生命保険契約者と満期保険金受取人が同じ場合、満期保険金は一時所得となり、所得税がかかります。


課税一時所得の計算方法は、

(満期保険金-払込保険料総額-特別控除額50万円)×0.5

となります。

なお、保険期間が5年以下の一時払養老保険などの場合は、特別控除がなく、

(満期保険金-払込保険料)×(所得税15%+住民税5%)

の源泉分離課税となりますので注意してください。


一方、生命保険契約者と満期保険金受取人が異なる場合は、贈与税がかかります。

贈与税対象額は、基本的に、

満期保険金-基礎控除額110万円

となります。


ちなみに、生命保険の配当金には、税金がかかりません。

保険と税金(2)

生命保険に入っている人が死亡した場合、死亡保険金が支払われます。

実はその時、死亡保険金にも税金がかかるのです。

誰が契約して、誰が保険金を受け取るのかによって、扱いが異なります。


①契約者と被保険者が同一人物で、受取人が別の人の場合

例えば、ご主人が自分で自分自身に生命保険を掛けて、受取人が奥さんのような場合です。

この場合、死亡保険金には相続税がかかります。

相続税の評価額の計算は

受取保険金-500万円×法定相続人数

となり、この金額に所定の相続税率を掛けたものが税額になります。


不思議なことに、受取人が相続人以外の場合でも、相続税として税金がかかります。

この場合は、相続人に認められる非課税財産分(500万円×相続人数)がありませんので、受取保険金額=相続税評価額となります。


②契約者と被保険者が異なり、受取人が契約者の場合

例えば奥様がご主人に保険を掛け、ご主人がなくなられた時に奥様が保険金を受け取るような場合です。

この場合、保険金は受取人の一時所得となり、所得税がかかります。

課税一時所得金額の計算方法は、

(受取保険金-払込保険料総額-特別控除額50万円)×0.5

となり、この金額に所定の所得税率をかけた金額が税額となります。


③契約者と被保険者が異なり、受取人が第3者になる場合

例えば、奥様がご主人に保険を掛け、保険金受取人をお子様にしたような場合です。

この場合、保険金は契約者から受取人に贈与されたとみなされ、贈与税がかかります。

贈与税対象額の計算は、

受取保険金額-基礎控除額110万円

となり、この金額に所定の税率を掛けたものが贈与税の税額になります。

保険と税金(1)

生命保険に加入し、保険料を支払っている人は、保険料支払額に応じて、一定額が所得から控除されるため、税金(所得税と住民税)が安くなります。

なお、生命保険には、簡易保険、共済掛け金も含まれます。


【所得税について】

年間正味払込保険料が25000円以下の場合・・・支払い保険料の全額が控除

年間正味払込保険料が25000円超、50000円以下の場合・・・支払い保険料の半額+12500円

年間正味払込保険料が50000円超、100000円以下の場合・・・支払い保険料の1/4+25000円

年間正味払込保険料が100000円超の場合・・・50000円


【住民税について】

年間正味払込保険料が15000円以下の場合・・・支払い保険料の全額が控除

年間正味払込保険料が15000円超、40000円以下の場合・・・支払い保険料の半額+7500円

年間正味払込保険料が40000円超、70000円以下の場合・・・支払い保険料の1/4+17500円

年間正味払込保険料が70000円超の場合・・・35000円


また、生命保険とは別に、個人年金保険も同様に控除があります。

つまり、例えば、生命保険料を年間10万1円、個人年金保険料を年間10万1円、支払っている人は、所得税ではその年の課税所得から10万円(5万円+5万円)、住民税では課税所得から7万円(3万5千円+3万5千円)が控除されます。